Fusha recordsのデザインをやってくれていた悠ちゃんがデニスに逢いにシアトルへ行ったので、引継ぎを紀伊國屋書店松下さんの紹介で知り合った本林さんにお願いすることになった。
昨日は豊洲へまりまりと英介を送ったあと新宿に行き松下さん、本林さんと会った。本林さんは松下さんのタワレコ時代の先輩で、松下さんのことを「松」と呼ぶ兄木肌で、現在八王子店でAtatA diskを総括している。本林さんは2月にループラインでやったライヴのときにDJをしていて変なのをかけていたのがすごく印象に残った。話しかけてみると気さくな人でとても話しやすく、飯抜いてでもレコードを買いたい、という中学生時代の自分も思っていた気持ちを貫いているのに驚いた。大学時代はまだそれができていたけど、今は食べたいという欲求になかなか打ち勝つことができなくなってしまった。
昨日は会ったのが21時近くで、いつものタイムスに行ってもすぐ閉店になってしまうので久しぶりにらんぶるへ行った。タイムスにはちょっときつそうだけどかわいい店員がいるので好きだな。喫茶店には大抵かわいい店員がいるものだと思い込んでいるけど昨日のらんぶるにはいなかった。
本林さんがお土産に八王子タワー限定配布しているイチハチというミニコミをくれて読んでみるとすごく面白かった。CDやレコードに限らず、本でも電化製品でも食品でもアマゾンが値段の基準になってしまっている。うちの店でも自店舗の実績よりアマゾンを見ろ、というのが定説になってしまっている。お客さんも中古の値段をケータイでちゃんと適正価格か調べてからレジへ来る。アマゾンで安かったら今目の前に中古であったとしても買わない。そうまでして切り詰めて買いたい気持ちもわかる。自分も逆の立場だったらケータイ駆使して1円でも安いのを探すかもしれない(だけどプリペイドなのでインターネットはできないから、それはやらない)。今日の社内メールでもまだ完璧に徹底できていないアマゾン確認を必ずするようにというお達しがきた。
中学や高校の頃はそのお店に欲しいCDやレコードがあったら後先考えずに買ったもんだけど、今そんな買い方をして帰ってネットで調べたらアマゾンで半額かよ!とか本当にある。そういうのが積み重なるとお店で一枚一枚値段をネットでチェックしたり、仕舞いにはリアル店舗では買わないってなってくるんだと思う。この状況を打破しない限りレコード業界に未来はないんだけど、現状なし崩し的にアマゾンより安い値段を基準としている。
そんな今どこの店もきついきついと言っているのに本林さんのAtatA diskはミニコミと連動させた特集でいい売り上げを出せているみたい。ミニコミ自体はすごくラフなものでチープなんだけど、文章がどれもこれも熱くとにかくその挙げている作品が好きなんだっていうのがビシビシ伝わってくる。ユニオンでも溺愛とかあるけど比べ物にならないくらい読み応えがある。八王子ではこの毎月18日に発行しているイチハチ目当てのお客さんがたくさん存在していて数日で配布終了になる。リアル店舗で売り上げを伸ばすには、そのお店の店員がとことん楽しいと思ったものにしか可能性がない気がする。可能性とかいうと大袈裟だけど、もうただ陳列してあるモノを見させられても意味がないんじゃないかな。正剛さんの棚みたいな、ああいう風にやってかないとって。
藤井くんのジャケットは本林さんが引き受けてくれたので助かった。あ、そうだあと思ったのが、今発売しているインディーの作品はどれもこれもがその作品をでっかい山のようにすごいものに見せるのに必死だけど果たしてそれが内容と合致しているんでしょうか? それが売れない時代の売り方だとしたらすごくダサいからやめたほうがいい。
捨ててあったシレルズの「Baby It's You」聴いた。